プログラマ旅行記

カナダに滞在してるプログラマです。たぶん歴史/文化/政治とかそのあたりの思った事をかきます。

日本人の英語が伝わらない理由

日本人の英語が伝わらないのは主張と理由を伝えないなど、文化的な背景によるものだ。

1. 理由を必要する文化と察する文化

カナダに来て驚いたのはバスでも電車の中でも、子供も大人も”because"を多用していることだ。この間は5歳の子供が自分の好きなおもちゃを紹介するのに、「これが好きなんだよ、なぜならかっこいいから。なぜなら色も緑で腕が動くし…」とこと細かに理由を説明してくれた。先週末は、ボーイスカウトの小学生くらいの子供に「何の募金?」と聞いたときも、その子はほぼ一文ごとにbecauseをくっつけて説明してくれた。このことから分かるように、カナダでは子供の頃から「要求を伝える際に理由を添える」という訓練を徹底されるのだ。同じように、何かを要求される際も「理由」があることで納得する傾向にある。また、カナダに限らず、今まで会ったヨーロッパや南米の人達もだいたい理由を添えて説明をしてくれる。

一方、日本人は別で、他人を納得させる際に理由ではなく時系列順に伝えたり、相手に察してもらうことで要求を伝えようとする。例えば、日本語で「うるさい!」というのは「だから、静かにしろ」という意味が含まれている。これを日本語で直訳してそのまま英語で"You’re noisy."と伝えても、相手に静かにして欲しいという意図は伝わらず、「だから何?」と思われてしまうだろう。静かにして欲しい場合は"Be quiet.”や”Don’t be noisy.”と言う必要がある。

2. 時系列で理解する日本人と結論を先に言う外国人(*1)

もう1つの日本語そのもの傾向として、時系列順に物事を伝えることが重視される。例えば、「今日どうだった?」という質問に対する「朝は何時に起きて、テレビを見て、買い物に出かけて、映画を見て、夜ご飯を食べて、楽しかった…」という回答である。その日にあったことを時系列順に言われると、日本人なら「ああ、そうなんだ」と納得してしまう。しかし、カナダだったら「今日は楽しかった。なぜなら、こんなことがあって…」という具合に先に結論を言うだろう。

3. 伝わらないのは"フォーマットが違うから"

これは単に物事を伝えるフォーマットが違う為にお互いが理解出来ないだけなのだ。外国人が日本人の英語を聞いたとき、文法が正しいにも関わらず混乱するのは結論が先に来ることを期待しているからだ。反対に文法が多少間違っていても、その文に「主張と理由」があって結論を先に伝えているのなら、おそらく意思を伝えることが出来る。なぜなら、聞き手の外国人が期待している情報はそれだからだ。日本人が英語を喋っても何が言いたいのかわからない、と聞く事が良くある。でもそれは、日本人が英語を喋れないからではなくて、日本人の感覚で英語を喋っているからだと思う。

(*1) 「外国人」の範囲が広過ぎるが、カナダ人やアメリカ人あたりを想定している。伝えたい国の人に合わせて伝え方を考える必要があるのかもしれない。