プログラマ旅行記

カナダに滞在してるプログラマです。たぶん歴史/文化/政治とかそのあたりの思った事をかきます。

小さなスマホはもう古い、情報端末としてのApple Watch

1. 既存のアプリにとってiPhoneは既にオーバースペック

日常で使用するアプリは今のiPhoneにとってはオーバースペックすぎる。通知の確認、電車の経路をチェック、Foursquareでチェックイン、これらの作業をする為に端末が高機能である必要がどこにあるのだろうか?これらのアプリは数世代前の端末でも実行出来る。想像して欲しい。もし、今スマホタブレットも存在せず通信環境だけがあるとして、進んでノートPCを開いて通知を確認したり、経路を確認したりFoursquareでチェックインしたりするだろうか?おそらく、やりたくないだろう。僕が今のiPhoneに感じているのもそれで、単に鞄から取り出すのが面倒くさいのだ。

2. Apple Watch(*1)が「取り出すコスト」を最低限にする

そこでサブの情報端末としてApple Watchが必要になる。なぜなら、今は何をするにも「iPhoneをポケットや鞄から取り出す」というコストが発生するからだ。例えば、今は通知を見るのも、タスクリストにチェック入れるのも、Foursquareでチェックインするのも、電車の経路を見るのもiPhoneを必ず取り出さなければいけない。その上、そのiPhoneオーバースペックなのだ。Apple Watchがあれば、通知はApple Watchで受け取って必要に応じてiPhoneを取り出せば良い。今までは通知を確認するだけでも必ず取り出さなければならなかった。
また、電車の経路はiPhoneで調べて、その結果はApple Watchに表示されたほうが便利だ。なぜなら、経路は乗る前に調べるもので、それを参照するのは実際に乗り換える時だからだ。

最近はウェアラブルデバイスをはじめとする外部デバイスとスマホの連携が流行っている。例えば、日々の体重をアプリと連携して記録できる体重計。これらは実在するデバイスと連携して人々の生活を便利にするものだ。一方で、Apple Watchは体重計のようにこれ自体が特別な機能を有するわけではなく、あくまで情報端末の拡張である。

3. iPhone6 Plusと「取り出すコスト」の釣り合い

Apple Watchが出ると小さなスマホは不要になる。なぜなら、小さいタスクはApple Watchでこなすことができ、一方でスマホを取り出す必要がある状況はブラウザを開く、メールを書く、写真を見る、Facebookの確認等の端末が大きければ大きいほど便利になる作業だけだからだ。だからiPhone6 Plusのようなサイズにしたのだろう。先程も書いたが、スマホの欠点は「取り出さなければ使えない」という点にある。そしてそれはサイズに依存しない。例えば、今までは通知を確認するのもウェブブラウザを開くのも、等しく「スマホを取り出す」というコストが発生した。だからこそ、小さいタスクに対してはスマホを取り出さなくてもいいように、時計型だとかメガネ型のウェアラブルデバイス(*2)が開発されているのだ。

iPhone6 Plusは本来はApple Watchと一緒に出るはずだったのだと思う。そして、iPhone6 Plusを今買ってしまった人が不満を言うのも分かる。なぜなら、すべての作業に対して「取り出すコスト」を支払わなければならないからだ(*3)。

(*1) スマートウォッチ全体に言えることではあるが、やはり一番Apple Watchが影響力が大きいだろう
(*2) ここでは「情報端末」として考えて欲しい
(*3) 単にでか過ぎて片手で持ちにくく操作しにくい、という理由があると思う。ただそれも、片手で出来るようなことはすべてApple Watchで解決したいのではないだろうか